Muzan Editions

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  • DUP SYS – Madoromi (MEDS078)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】今回もレーベルより依頼されてコメント書かせていただきました。よろしくお願い致します。

    「簡単に理解され、感謝される芸術は、それ以上のものにはなれない。」という、ある芸術家の言葉を引用しつつ、この作品が現時点では言語化が難しいことを最初に断っておきたい。一つの過ぎ去っていく一秒一秒のダイナミクスに終始感情を更新され、聴き進めていく内に点と点が線になるかのような感覚を意識させられる壮絶なドラマ。シーケンシャルミュージックとノンシーケンシャルミュージックが、フィールドレコーディングという触媒により一つの化合物となり、また分解されたときには新しいナニカに姿を変えている。徐々にヒートアップし、ピークを迎え、クールダウンしていく展開。消えるかと思えばまた灯る音。聴き終わったあとには、一晩焚き火を囲んでいたような満足感と、一往復してスタートのポジションに戻った一本のテープだけがそこに残されていた。道程(Dotei Records) 樋口拓郎

    当店で取り扱っているMuzan Editionsの過去のリリースはこちら。https://doteirecords.com/product-tag/muzan-editions/

  • Hideo Nakasako ‐ Collected Sound Fragments (MEDS077)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】今回もレーベルより依頼されてコメント書かせていただきました。よろしくお願い致します。

    サウンドスケープという概念の提唱者Murray Schaferは、もともとこの言葉を文化人類学的な観点から、「視覚ではなく聴覚によって特徴づけられる固有の風景」を意味するものとして使っていたとどこかで読んだような気がする。本作Collected Sound Fragmentsに収録される楽曲は、そのタイトルからも見て取れるように、固有の「風景」というよりも、もっと普遍的な「概念」に着想を得ていうことが伺える。巧みに用いられたフィールドレコーディングからは、楽曲名にあるようなビジョンを想起させられるが、そこに加えられたシンセサイザーのレイヤーは、その単語が持つ普遍的なビジョンから逸脱し、彼が固有に持っているイメージの世界へと我々を連れて行ってくれるように思う。これまで我々が触れたことのない世界であるはずなのに、どこか懐かしい風景を浮かび上がらせてくる。そのことは、我々の脳内には実際に見たり聴いたりした体験として紐づけられたビジョンだけでなく、そこを超越した記憶が存在していることを示唆しているのかもしれない。Xの世界とYの世界が曖昧になった頭の中で、この音楽を聴きながらそんなことを考えていた。道程(Dotei Records) 樋口拓郎

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  • cortion – DLF (MEDS076)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】今回もレーベルより依頼されてコメント書かせていただきました。よろしくお願い致します。

    人間をはじめとする多くの生物は、心臓という器官によって体内のあらゆる細胞に血液を送り、生命を維持している。そして心臓が作り出す鼓動には、それぞれの個体のテンポが存在する。どこかの現代音楽家がかつて言ったように「外界に溢れる様々な音を遮断しても、耳はそうした体の中で生じる音から逃れることができない。」その影響からか、人類誕生の地とされるアフリカの伝統音楽から、ロックやポップ、現代のクラブミュージックに至るまで、人間はHeart Beatを基調とするような一定のテンポを持つ音楽を好んできた。cortionのDLFをはじめて聴いたときに、この作品は一定のテンポで定義されることを拒絶してるように思えた。重厚なドローンをバックグランドに、和音階のようにも聴こえるメロディーラインは、サステインされた連続音にオフビートで絡み付き、展開していく。この感覚は、エチオピアのピアニスト、Hailu Mergiaの初期の楽曲を初めて聴いたときのそれと似ている。「ズレ」だと思っていた音の打点が、実はその楽曲が固有に持つ「不均一なテンポ」にオンビートで乗っているのではないかと感じはじめ、必然性を見出さざるを得ない説得力がそこにはある。平和的な質感の中に、目を覚まされるようなスーパーローが顔を覗かせ、交錯するポリリズムが、テンポという概念の先へあなたを誘う。道程(Dotei Records) 樋口拓郎

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  • OVRSCN – Dirac Sea (MEDS075)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】本気で意識をぶっ飛ばしにきているドローンです!高圧洗浄機で一掃するかのような爽快さ、銭湯のバブルで体をもみほぐされるような気持ち良さ、それでいてDeepなエモーショナルさも持っている作品。考えが行き詰ったときに再生したい一本。

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  • Nakayama Munetoshi – Court (MEDS074)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】Abstract Ambient Drone!不規則な音の並び、後ろで鳴ってるドローンのトビ、そういった要素が混ざり合って、電気的なのでオーガニックな空気を作り出しています。宇宙空間ってそういう音が生まれているイメージありませんか?

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  • Günter Schlienz – Current (MEDS073)

    NEW SOLD OUT

    【DLコード付き】極楽浄土系、天上人たちのたしなみのごとく、大変優雅で荘厳な一本!持続音という手法一つで、ここまで色々な世界に連れていってくれながら、アルバムとしての一貫性を維持しているのは素晴らしいです。これはオススメしたい一本。

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  • Yukari Okamura – Theory (MEDS072)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】Muzan EditionsからTechnoのリリースは初でしょうか?完全に質感で勝負してきているあたり、アンビエントやドローンなどのリリースを中心に構成されるMuzan Editionsのカタログの中にもしっかりハマっていると思います。無駄なものが削ぎ落されて、その質感を作り出すために必要な音だけが残されているあたり非常に見事。

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  • Endurance – Verb (MEDS071)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】2022年秋Batchの中の1つは、レーベルを共同で主宰しているEnduranceによる作品。彼の他の作品に見られる突き刺さるようなDroneよりも、より柔らかく詩的な印象を受ける今作となってます。

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  • Sara Berts – Braiding Fragments (MEDS070)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】Muzan Editionsの2022年秋のBatchからの作品。アルペジオを主な手法として使った電子音楽ですが、Moth DanceやNon C’è Nessunoは日本の伝統音楽のような雰囲気(和音階?)があるのが面白いですね。

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  • Mary Yalex – Ohra (MEDS068)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】関西を拠点とするカセットテープレーベル、Muzan Editions。2022年のSummer Batchの3作品が入荷しました。前回同様レーベルからお声がけいただき、オフィシャルレビューを書かせていただきましたので、以下の通り掲載させていただきます。

    讃美歌とある種のハードコアに共通点があるように、物事の表裏は文字通り常に背中合わせの(=近い)位置関係にあるということは、様々な物事をよく観察するとなんとなくわかってくるものである。この作品もまた、段階的にXとYが共存と分裂を繰り返すことで、より俯瞰的に定義されることを求めてくる。物語よりも体験を与えてくれる類の芸術であると言えるのではないだろうか。そんなことよりまずは荘厳なドローンと、神秘的なアナログシンセのアルペジオに、息をすることも忘れてただぶっ飛ばされてみてほしい。脳みそを取り出し、清流で一度丸洗いしたかのような爽快感は、コンビニで売っているミントタブレットで得られるそれとはわけが違う。道程(Dotei Records) 樋口拓郎

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  • Kris Keogh – Processed Harp Works, Volume 3 (MEDS067)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】関西を拠点とするカセットテープレーベル、Muzan Editions。2022年のSummer Batchの3作品が入荷しました。前回同様レーベルからお声がけいただき、オフィシャルレビューを書かせていただきましたので、以下の通り掲載させていただきます。

    Muzan Editionsのこれまでの作品のMastering Engineerとしても名を連ねるオーストラリアのサウンドアーティストKris Koegh。琴かハープか、またはディレイにエフェクトを加えることで多弦的な響きに仕立て上げているのか、本作全体を通して使われている弦の音は、持続音ではないもののドローンミュージックとして確実に成立している。ステレオの左右の動きに加え、音が前後に動く空間性を与えることで、二次元的な動きではなく、面となって波を創り出し、聴き手のもとへ到達してくる。また、その動き方も一定の周期を持たず、自由に場所やかたちを変えていることがわかるだろう。うねり、渦巻き、空気中に伸びていく長いリボンのように、一切の隙間を持たず、全ての音が、その前に存在した音の次の形態として更新を続けていく様を、身体をすべて使って聴いてみることをお勧めする。道程(Dotei Records) 樋口拓郎

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  • MonoLogue – Senza Titolo (MEDS066)

    NEW ¥1,300

    【DLコード付き】関西を拠点とするカセットテープレーベル、Muzan Editions。2022年のSummer Batchの3作品が入荷しました。前回同様レーベルからお声がけいただき、オフィシャルレビューを書かせていただきましたので、以下の通り掲載させていただきます。

    窓から射し込んだ光。いつも見慣れた場所であっても、その角度や微妙な明るさの変化によって、自分の目により切り取られる画が全くもって違うことに気がつき、感動したことを覚えている。全編を通してふんだんに使われているリバーブのエフェクトは、この作品をこの作品たらしめる重要な要素であるに違いないが、発せられた音の振動エネルギーが、人間の感性のレセプターを通して感情のエネルギーに変換されてできた成果物は、作品のどこを切り取るかによって全く違ってくるから不思議である。絶え間なく続く残響の中に、西洋音楽的な旋律を帯びて飛び込んでくる鍵・管・弦楽器の音は、石を投げ込んだ水面のごとく、新たな残響を作り、すでにそこにあった残響と交わりながら次の瞬間を創造する。英語に訳すと「without title」を意味する「Senza Titolo」と名付けられたこのアルバムは、音楽を展開的にとらえず、より瞬間的にとらえることで、一つの名前で呼ばれることなく変化し続けることを、肯定する。道程(Dotei Records) 樋口拓郎

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  • Elin Piel – Satsuma Sunday (MEDS065)

    NEW SOLD OUT

    【DLコード付き】関西を拠点とするカセットテープレーベル、Muzan Editions。2022年のSpring Batchの3作品が入荷しました。今回光栄なことに、3作品のレビューをレーベルから依頼を受け、書かせていただきましたので、以下の通り掲載させていただきます。

    振り下ろす腕の勢いや指先の感触が、力学的なエネルギーの変換を通して音に現れるギター、ピアノ、打楽器などの演奏。それに対し、ドラムマシーンやモジュラーシンセサイザーなどによるそれは、インターフェースを通した電気的な信号のやり取りを通して音を出す点から、発音に至るまでの性質が根本的に異なっている。それに伴い、表現行為としての感情の発露、そして聴く側の受け取り方もまるで違ってくる。Elin Pielはモジュラーを使用したスウェーデン出身の作曲家だが、彼女が今回リリースした「Satsuma Sunday」が作り出す音の世界は、それを演奏する彼女の姿が目に浮んでくるような感覚がある。この感覚は妙だ。なぜなら、激しいギターの音を聴いて演奏者の姿をイメージすることはあっても、モジュラーの音を聴いて、演奏者の姿を思い浮かべることは私にはほとんどないからだ。第一印象は、SF的で空想的な世界観であったものの、聴いていくと、この作品の背景にはもっと個人的なテーマと自叙的なアウトプットが存在しているように思えてくる。誰しも「特別なことが起こったわけでもないのに、なぜか頭のなかに映像付きで刻み付けられている過去の1シーン」がいくつかあると思うが、それらをランダムにコンパイルしたような感じだ。作られた物語のように、必ずしも連続性があるとは限らないライフストーリーが、トリガーされた信号により浮かび上がり、聴いている人の個人的な記憶に働きかける、メロディアスなドローン作品。(言葉:Dotei Records @doteirecords )

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  • Doltz – Asa (MEDS064)

    NEW ¥1,200

    【DLコード付き】関西を拠点とするカセットテープレーベル、Muzan Editions。2022年のSpring Batchの3作品が入荷しました。今回光栄なことに、3作品のレビューをレーベルから依頼を受け、書かせていただきましたので、以下の通り掲載させていただきます。

    80~90年代に作られた未来的な音(Futuristic Sound)の中に、ほとんど有機的な音は見られなかったように思う。それは当時の未来文明へのイメージがオートマティックで無機的なものであったからだろう。しかし今現在、そういうイメージはやや古臭く感じる。もう少し有機的なものと無機的なものが調和したものを未来的なものと捉える方が、今は自然だ。福岡をベースにするDoltzによりリリースされた「Asa」。本作は、フィールドレコーディングの音、独特のリズムのズレ、アナログなエフェクトなどの有機的な成分と、電子音、シーケンスされた信号、サイン派などの無機的な成分が見事に調和された、現在のFuturistic Soundのかたちではないかと思う。一音一音は洗練されたシリアスな鳴りでいて、しかしながら曲として聴いたときには親しみやすさや明るさ、具体的には”晴れた日の朝一番に聴きたくなるような感じ”を持っているのもなんだか不思議で未来的である。まだ味わったことのない音楽体験を与えてくれると同時に、「この先にまだ知らない体験が更に待っていそうだ」という夢を見させてくれる本作は、リリースされた直後がコンテンツとしての価値のピークで、そこから徐々に衰退する“商品”とは決定的に異なり、未来のある地点においても、また違った輝きを放ちながら私たちの前に現れてくれるんじゃないかと思う。(言葉:Dotei Records @doteirecords )

    当店で取り扱っているMuzan Editionsの過去のリリースはこちら。https://doteirecords.com/product-tag/muzan-editions/

  • Am Shhara – Shinsoko (MEDS063)

    NEW ¥1,200

    【DLコード付き】関西を拠点とするカセットテープレーベル、Muzan Editions。2022年のSpring Batchの3作品が入荷しました。今回光栄なことに、3作品のレビューをレーベルから依頼を受け、書かせていただきましたので、以下の通り掲載させていただきます。

    一瞬で目の前の景色を180度変えるような出来事が、人生ではときどき起こる。それは絶望の淵に見た一本の美しい虹のように、または穏やかな朝に取った一本の電話のように、正弦波的ではなくのこぎり波的に、突然の急上昇や急降下を伴いながら、ストーリーを形作っていく。本作、名古屋を拠点とする作曲家Am Shharaによる「Shinsoko」には、そんなハッと胸をつく瞬間が溢れている。溢れているというか、その連続によってこの作品の世界観が作り上げられていると言った方が適切かもしれない。実家の布団に入ったときのようなぬくもりと、夜のジャングルを歩くときのような緊張が、一方が寄せては一方が引き、それをドラスティックに、不規則に繰り返す。一つの感情をはっきりと意識した瞬間に、その感情は別のなにかに変化していく、そういう音楽体験が得られる。砂袋のようにずっしりとしたドローンのトビに、針が落ちるかのごとく繊細な振動がエコーを伴い重なることで、まるで懐中電灯で照らされた洞穴のように、空間的な奥行きが姿を現す。そして自分とこの作品の位置関係も徐々に明らかになるような気がする。そんなことを感じながら聴いているうちに、気が付けばかなり長い時間が経っていたようだ。(言葉:Dotei Records @doteirecords )

    当店で取り扱っているMuzan Editionsの過去のリリースはこちら。https://doteirecords.com/product-tag/muzan-editions/

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